研究課題/領域番号 |
17K17926
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
田中 健 香川大学, 医学部, 助教 (60750023)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | マラリア / 薬剤スクリーニング / 希少糖 |
研究実績の概要 |
熱帯熱マラリア原虫の培養系を確立した。また、抗マラリア効果と抗生殖母体効果を確認する実験系を立ち上げ、それらを用いて希少糖を含む基本となる単糖について評価した。インビトロ合成タンパク質については、熱帯熱マラリア原虫に先立ってローデントマラリア原虫のヘキソーストランスポーターをコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系により発現させた。先行研究においてローデントマラリア原虫の蚊体内での発達が希少糖の1つであるアロースにより阻害されたことから、実験系のコントロールとして適当であると考えられたためである。原虫のゲノム上の配列では発現しなかったため、コムギ胚芽のコドン使用率に最適化した結果、タンパク質の発現に成功した。しかし、その後、用いたキットにしたがって重層法によりプロテオリポソームを調製したが、グルコース取り込み活性は検出されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
必要な原虫株の入手と赤血球・血漿の入手に当初の予定よりも日数を要したため、予定していた全ての希少糖を用いた原虫に対するインビトロ薬剤試験は未達成である。また、平成29年度に予定していたプロテオリポソームを用いたヘキソーストランスポーターの解析については、タンパク質は発現したものの、コントロールとなるグルコース取り込み活性が検出されなかった。
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今後の研究の推進方策 |
抗マラリア効果と抗生殖母体効果については実験系が確立されたので、当初の通りに研究を進める。グルコースの取り込み活性が検出されないプロテオリポソームを用いたヘキソーストランスポーター活性の解析については、活性は検出できなかったもののタンパク質の発現は確認されている。したがって、本研究で用いたキットの重層法によるプロテオリポソーム調製法に問題がある可能性が考えられる。具体的には、2重膜以上で構成されたプロテオリポソームが多数形成されたことが原因ではないかと推測される。そのため、 1. フィルターを用いたlarge uni-lamellar vesicleの調製 2. 超音波を用いたsmall uni-lamellar vesicleの調製 により、1重膜のプロテオリポソームの調製を行う。これらによっても活性が検出できない場合は脂質を試薬として購入し、脂質組成をカスタマイズしたプロテオリポソームをフィルターまたは超音波により調製する。
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次年度使用額が生じた理由 |
原虫株および赤血球・血漿の入手が当初予定よりも遅れるのに伴い、実験開始時期が遅れたため。次年度使用額分は、計画通りに原虫の培養、インビトロ薬剤試験、インビトロ合成タンパク質の解析に用いる予定である。
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