自然界にわずかしか存在しない単糖である希少糖の1種は、マラリア原虫の媒介蚊体内期の発達を阻害する。その作用メカニズムの解明は、マラリア伝播阻止薬の開発に大きく寄与することが期待できる。本研究では、培地中の原虫に複数の希少糖を加えることで、「ヒト体内期の原虫に対する希少糖の効果の観察」および「『蚊体内期における発達の阻害は希少糖によるグルコースの取り込み阻害が原因である』という仮説の検証」を行った。培地中に加える実験では、希少糖はヒト体内期の原虫に効果を示さなかった。また、その結果から、希少糖による蚊体内期の発達阻害は、グルコースの取り込み阻害によるものではない可能性が強く示唆された。
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