研究課題
前年度、Collagen antibody-induced arthritis (CAIA)を誘導し、Uhrf1fl/fl;Col6a1-Cre(滑膜線維芽細胞特異的Uhrf1欠損; cKO)マウスはUhrf1fl/fl(Control)マウスと比較して関節炎病態が悪化することを明らかにした。本年度は、K/BxN血清移入関節炎 (K/BxN STA)で解析し、CAIAと同様の表現系が認められた。Gene Expression Omnibus(GEO)に登録された、ヒト滑膜サンプルを用いたRNA-seqのデータを独自に再解析すると正常滑膜や変形性関節症滑膜と比較して関節リウマチ滑膜ではUHRF1 mRNAの発現が有意に上昇していた。現在、in-houseデータを取るためにIRB申請を通し臨床サンプルを採取している。Uhrf1の発現調節機構を明らかにするため、ChIP-Atrus (http://chip-atlas.org/) のDNase-seqデータからプロモーター領域を予測しMotif discovery解析で候補転写因子を抽出した。HEK293細胞を用いたレポーターアッセイで候補転写因子Nfyaは予測したプロモーター領域に対して活性を持つことを明らかにした。Uhrf1の分子機能を明らかにするため、K/BxN STAを誘導したcKOマウスとControlマウスから初代滑膜線維芽細胞を採取しRNA-seqを実施した。cKO細胞においてmRNA発現が有意に2倍以上上昇した遺伝子群でパスウェイ解析すると「Cytokine-cytokine receptor interaction」関連遺伝子が最も多く含まれていることが明らかになった。以上より、滑膜線維芽細胞のUhrf1はサイトカイン関連遺伝子の発現を制御して、関節リウマチ病態のネガティブフィードバック機構に働くと予想される。
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Bone
巻: 122 ページ: 93~100
10.1016/j.bone.2019.02.011