研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は,発展方程式の解の存在範囲もしくは一意存在の範囲を特定する精度保証付き数値計算法の開発である.解の存在を示し数値解の誤差を厳密評価することで解の存在範囲を特定することができる.主に放物型偏微分方程式を対象とし,空間方向は有限要素近似における誤差評価を,時間方向は行列指数関数を用いて表される基本解の厳密計算による補間誤差を評価することで,初期値境界値問題や周期境界値問題に対する精度保証付き数値計算法を導出した.
数値解析
計算機を用いた数値計算は非常に有用であるが,一般に,そこで得られる数値解は誤差を含む.そのため,数値解の精度を厳密に保証できる数値計算手法が近年活発に研究されている.本研究の主な成果は,いくつかの条件が整えば発展方程式の数値解に対する誤差評価を与えるというものであり,与えられた問題の解の存在範囲もしくは一意存在の範囲を計算機を用いて自動的に求める精度保証付き数値計算法の開発に寄与する成果といえる.