研究課題/領域番号 |
17K17954
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
安部 美和 熊本大学, 熊本創生推進機構, 特任助教 (40619805)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 集団移転 / 災害 / 復興 / 合意形成 |
研究実績の概要 |
本研究では、平成25年度まで実施した研究成果を発展させ、自然災害後の集団移転について、その多様性を示し、被災者のニーズにあった復興過程をたどるために、「持続可能な集団移住」の有効な選択肢が加えられる必要性を示すものである。本研究では、i) 自然災害後の集団移転に関するデータを蓄積し、今後の災害復興政策に援用可能なデタベースの作成と、ii) データや現地での聞き取り調査の結果から、集団移転実施者における復興感について明らかにすることの2つを目的としている。 当初の予定では、平成29年度には昭和47年以降の防災集団移転促進事業(35事例)について現地調査も含め、その制度の整理及び各事例における復興について議論を行う予定であった。しかし、研究代表者の妊娠に伴い、出張の伴う調査活動が実施できなかったことにより、当初の計画通りの調査研究が行えていない。そのため、出張等による現地調査は差し控え、文献をベースとした移転実績の収集に努めた。 その結果、防災集団移転促進事業に伴う集団移転35事例だけではなく、災害前集団移転を実施した和歌山県の事例があることが分かり情報収集を継続している。東日本大震災及び熊本地震を経験してなお、災害発生「前」に予防的措置として移転を行うには抵抗があり、現在のところ集団かつ災害予防目的で移転が成し遂げられたケースはまれである。この事例も追加し、制度及び現地の人々の移転前後の生活の変化及び心情について精査することで、復興過程における人と場所との関係及びそこで必要とされる制度、合意形成の在り方について情報収集を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
年度初めに研究代表者の妊娠が判明したため、当初予定していた現地調査を行うことができなかった。各地で実施された集団移転事例の情報収集及び、行政や住民への聞き取り調査も計画していたため、長距離の出張を控えたため当初の計画より研究の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年8月には職場復帰を行うことから、平成29年度に予定していた出張を伴う現地調査を平成30年度に再開する。文献および行政資料等のデータ収集は継続して実施するとともに、研究協力者の力を借りながら研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度初めに研究代表者の妊娠が判明し、当初の計画通りの出張を伴う現地調査活動が実施できなかった。そのため、旅費その他で計画に伴う支出ができなかったことにより差額が生じている。平成30年8月に職場復帰をすることから、平成29年度に実施予定であった現地調査を、平成30年8月以降に延期して実施していく。また、研究協力者との連携により研究を行う必要があるため、平成30年度以降、その支出が見込まれる。
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