第三世代がん治療用HSV-1であるG47Δは、人為的な三重変異によって腫瘍細胞に選択的な高いウイルス複製能をもち、また全身性抗腫瘍免疫を強力に惹起する。このG47Δを基盤としたT-hTERTは、ウイルス複製に必要なICP6をhTERTプロモータで制御するため、宿主のリボヌクレオチドレダクターゼに依存せずに複製能を維持する仕組みが施されている。緩徐に増大する髄膜腫を治療対象にした実験モデルの中で、T-hTERTは、コントロールウイルスのT-01と比較し、10倍以上の複製能の上昇が得られ、それに伴う殺細胞効果の上昇が観察された。
|