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2018 年度 実施状況報告書

敗血症性急性腎傷害に有効な血液浄化膜の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K17960
研究機関大分大学

研究代表者

大地 嘉史  大分大学, 医学部, 助教 (50649811)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード血液浄化療法 / 敗血症 / サイトカイン / HMGB-1
研究実績の概要

敗血症などの全身性に炎症反応を生じる病態では,サイトカインやHMGB-1が病態の形成に重要な役割を担っている.そこで,サイトカインやHMGB-1の除去による病態の改善を期待して持続血液濾過を行うことがある.近年,膜素材にpolyethersulfone (PES)を用いた,膜構造を非対称の2層構造にすることで除去できる物質の分画を明敏にし,小から中分子までを効率よく除去できる血液浄化器が本邦で開発された.但し,このPES膜を用いた持続血液濾過によるサイトカイン,HMGB-1の除去については,現在まで報告が無かった.我々は,この二層構造PES膜は従来の血液浄化器よりもサイトカイン,HMGB-1の除去性能が高く,かつアルブミン除去能は低いとの仮説を立て,人血を用いたex vivo研究を行った.その結果、TNF-α以外のサイトカインは0.8以上の高いふるい係数を示す一方で,アルブミンのふるい係数は0.04未満にとどまっていた.二層構造PES膜を用いた持続血液濾過では,アルブミンの喪失を抑えつつサイトカイン及びHMGB-1を高効率に除去できることが分かった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画書通りの進行具合で結果を得ることが出来ており、現状のデータで論文化した(High Efficiency Removal of Cytokines and HMGB-1 by Continuous Hemofiltration With a Dual Layered Polyethersulfone Membrane: An Ex Vivo Study, Therapeutic Apheresis and Dialysis 2019, 23(2), 173-179)。

今後の研究の推進方策

研究計画書の通り、生化学的な検討は当初の予定通り進めることが出来たため、今後は電子顕微鏡を用いた形態学的なアプローチで更なる検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度より、生化学的な検討から形態学的な検討へと移行するにあたり、物品購入費として当該年度分では不足していたため、繰り越した上で物品購入費に使用する必要があると判断したため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] High Efficiency Removal of Cytokines and HMGB‐1 by Continuous Hemofiltration With a Dual Layered Polyethersulfone Membrane: An Ex Vivo Study2019

    • 著者名/発表者名
      Ohchi Yoshifumi、Goto Koji、Yasuda Norihisa、Koga Hironori、Kitano Takaaki
    • 雑誌名

      Therapeutic Apheresis and Dialysis

      巻: 23 ページ: 173~179

    • DOI

      10.1111/1744-9987.12767

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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