研究課題
若手研究(B)
この研究では、LPSを添加したヒトの血液を用いて敗血症血液浄化モデルを作成し、polyethersulfoneを膜素材とした血液浄化器の、サイトカイン、HMGB-1、アルブミンの除去性能を評価した。その結果、使用した血液浄化器は、従来の血液浄化器と比較して高効率にサイトカインやHMGB-1を除去でき、かつアルブミンの喪失は最低限に抑えられていた。また、血液浄化器の膜面積が大きくなるほど、浄化効率は低下しにくいことが分かった。
集中治療
今研究で使用したpolyethersulfoneを膜素材とした血液浄化器は、従来の血液浄化器よりも炎症性サイトカインやHMGB-1を、アルブミンの喪失を抑えつつ効率的に除去できる可能性が示唆された。敗血症の主病態は、病原微生物によって生じた過剰炎症に伴う臓器障害であり、その重要な要素がサイトカインやHMGB-1である。今研究結果から、敗血症のような高サイトカイン状態に伴う腎傷害においては、今回使用した血液浄化器を使用すると、腎補助に加えて炎症の制御も期待できるかもしれない。