研究課題/領域番号 |
17K17973
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
籔谷 祐介 札幌市立大学, その他部局等, 特任助教 (40730825)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 団地 / 地域活動 / 参加 / 居住者 / コミュニティデザイン / 団地再生 / セルフリノベーション |
研究実績の概要 |
①研究対象であるあけぼの団地(札幌市南区)について文献等よって基礎情報を整理するとともに、毎月開催される真駒内まちづくり協議会(札幌市、UR都市再生機構、札幌市立大学で構成)において情報交換を行い、あけぼの団地の現状把握を行った。「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」において、あけぼの団地は「団地再生(集約化)」に類型化されており、今後集約化が予定されている「集約化計画団地」の準備期にあたる先進的事例として位置付け、集約化の過程において地域コミュニティの脆弱化が深刻な問題となることからコミュニティ支援の必要性について確認した。 ②あけぼの団地に居住する全世帯を対象に、地域活動への参加特性を把握するためのアンケート調査を実施した。調査はUR都市再生機構、あけぼの団地自治会の協力を得て実施し、回収率は40.5%であった。分析の結果、団地居住者を「Ⅰ.継続参加型」(これまでも地域活動に参加し、今後も継続的に参加する意志のある居住者)、「Ⅱ.参加意向型」(これまでは地域活動に参加してこなかったが、今後参加したいと考えている居住者)、「Ⅲ.不参加型」(これまでの地域活動への参加・不参加に関わらず、今後は参加したくないと考えている居住者)に類型化し、各類型の特性と課題、コミュニティ支援の方向性を明らかにすることができた。 ③団地再生の取り組みの国内の先進事例である男山団地(京都府八幡市)と泉北ニュータウン(大阪府堺市)の視察調査を実施し、コミュニティ支援方策検討のための知見を得た。 ④あけぼの団地の集会所において居住者を対象とした報告会を開催し、アンケート調査と先進事例調査の研究成果を報告した。報告会では参加者に対してアンケート調査を実施し、今後のコミュニティ支援方策検討のための資料を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画では、当該年度に団地のセルフリノベーションの実証実験を実施する予定であったが、研究方法を検討する中で、実証実験を実施する前に現状把握を行うことでより良い研究成果が挙げられることが分かったため、次年度に実施予定であったアンケート調査を前倒しにして実施した。その結果、実証実験を実施する上で把握すべきあけぼの団地のコミュニティの実態、およびコミュニティ支援を行う上での課題と方向性を明らかにできたため、進捗状況を「おおむね順調に進展している。」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度はコミュニティ形成を目的としたセルフリノベーションの実証実験とその効果検証のためのヒアリング調査を実施する予定である。平成30年度4月から本研究者の所属が札幌市立大学から富山大学に変わり研究対象地への訪問頻度が少なくならざる得ないことが課題であるが、札幌市立大学に所属する他研究者の協力を得て実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度実施予定であったアンケート調査を当該年度に実施し、当該年度実施予定であった実証実験を次年度実施することにしたため。
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