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2018 年度 実績報告書

細胞極性を制御する新規リン酸化シグナル伝達系の同定

研究課題

研究課題/領域番号 17K17991
研究機関東北大学

研究代表者

山下 和成  東北大学, 生命科学研究科, 助教 (70589481)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード細胞極性 / 上皮細胞 / PAR-3 / ASPP2 / クラスタリング
研究実績の概要

PARーaPKC細胞極性制御因子群は、非対称な形態を形成する細胞(上皮細胞、神経細胞、非対称分裂を行う幹細胞など)において、非対称な細胞膜ドメインを形成するために必要な因子であり、動物種間や組織種間にわたって普遍的に保存された因子群である。PAR3はその因子一つで、上皮細胞では細胞間接着部位に局在して機能する。本研究では、新規に同定したPAR3のリン酸化修飾とその脱リン酸化機構に着目し、これによるPAR3の局在制御機構を明らかにした。
まず、このリン酸化部位はPAR3の結合タンパクとして同定したASPP2がリクルートするPP1というフォスファターゼによって脱リン酸化されることを明らかにした。このリン酸化部位を変異させたSA変異体PAR3は細胞質内に塊状の構造を形成することから、脱リン酸化によってPAR3分子自身が集積(クラスタリング)しやすくなることがわかった。野生型PAR3-GFPとPAR3_SA-GFPのターンオーバー(分子の交換)をFRAP法で比較したところ、SA変異体の方が入れ替わりが遅かったことから、非リン酸化型PAR3は細胞間接着に安定局在していることが示唆された。また、SA変異体PAR3はタイトジャンクション領域よりもベーサル側であるラテラル膜にも異所的に局在し、タイトジャンクション形成領域をよりベーサル側であるラテラル膜へと伸長させた。これら結果から、PAR3が細胞間接着部位に濃縮する機構として、脱リン酸化により起こる局所的な集積があることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] FETAL AND MATERNAL ASYMMETRY IN PLASMA MEMBRANE DOMAINS OF SYNCYTIOTROPHOBLAST LAYER-I CELLS ARE MAINTAINED BY A POLARITY-REGULATING FACTOR, KIBRA-LIKE/WWC2.2018

    • 著者名/発表者名
      Tamura-Furukawa Kana, Yamashita Kazunari, Ohno Shigeo
    • 学会等名
      International Federation of Placenta Associations
    • 国際学会
  • [学会発表] 上皮細胞の空間パターンを作る細胞極性制御因子PAR3のクラスタリング制御機構2018

    • 著者名/発表者名
      山下 和成, 水野 恵子, 大野 茂男
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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