| 研究課題/領域番号 |
17K17992
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| 研究機関 | 横浜市立大学 |
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研究代表者 |
新倉 怜 横浜市立大学, 医学研究科, 特任助教 (70760750)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 時間知覚 / NMDA受容体 / 新生仔期 / ラット / オペラント条件づけ |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，統合失調症の動物モデルである新生仔期N-methyl-D-aspartate（NMDA）受容体遮断ラットにおける時間知覚の異常に関与する神経回路を同定することを目的としている。
当該年度は、ラットが遂行する時間知覚課題として、従来取り組んできた長短の2つの時間間隔を弁別する時間弁別課題（間隔二等分課題）に加え、刺激提示開始から一定時間の経過を計り取る時間産出課題（ピークインターバル課題）の実施を主として行った。また、時間弁別、時間産出課題遂行直後の同ラットの脳組織切片を作成し抗p-CREB抗体による免疫組織化学染色によって、新生仔期NMDA受容体遮断ラットと統制群とで課題遂行中の活動に違いのある脳部位の同定を試みた。
時間弁別課題において、新生仔期NMDA受容体遮断ラットは、統制群と変わらない弁別学習能力を示した一方で、長短の中間刺激を提示した場合、時間を過剰に長く見積もる傾向が認められた。新生仔期NMDA受容体遮断ラットと統制群との時間弁別課題遂行中の神経活動の差異を検出するため、前頭前野、線条体、海馬、黒質、腹側被蓋野を対象にp-CREB陽性細胞数を比較したが，当該年度の研究では当初期待した部位における活動の有意な違いは認められなかった。時間産出課題において、当該年度の研究では、新生仔期NMDA受容体遮断ラットのパフォーマンスは統制群と差が認められなかった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2017年度の行動実験立ち上げに際しての遅れの影響による。また、免疫組織化学的検索において当初期待していた結果が得られなかったため、この対策に時間を要した。
当該年度においては、新型コロナウィルス感染拡大にともなう2度の緊急事態宣言によって実験の中断を余儀なくされ、研究を計画通りに実施することができなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
統計学的検定に必要な被験体数を確保するため、引き続き時間知覚課題遂行中のラットの脳の免疫組織化学的検索を実施する。並行して、当初の計画通り、マイクロダイアリシス法を用いて、時間知覚に重要な役割を果たしていると考えられている前頭前野、線条体における時間知覚課題遂行中の神経伝達物質の定量を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
初年度に購入を予定していたMED社製オペラントビヘイビアテストパッケージ（MED-008-D1）は、仕様上本研究に最適な構成でない部分が見つかったため、同社の製品をパッケージではなく必要なパーツを組み合わせた形で購入したので購入費が少なく済んだ。また、新型コロナウィルス感染拡大にともなう緊急事態宣言を受けて実験を中断したため、実験に大幅な遅れが生じたので、当初の予定よりも実験動物購入費や抗体など消耗品の購入費が少なかった。
次年度は、実験動物やマイクロダイアリシス法に用いる試薬、プローブなど消耗品の購入、および研究成果報告のための学術雑誌への投稿費用等の使用を予定している。
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