本研究の目的は、要支援高齢者(以下、要支援者)の運動習慣(身体活動)の促進・阻害要因を量的および質的に明らかにすることである。 令和5年度は量的調査結果の継続した分析と質的調査の追加調査を実施した。 量的調査:対象はA地区に在住の要支援者106名(回収率79.1%)とした。分析は要支援者の身体活動内容の特徴を明らかにしたうえで、従属変数を身体活動とし、社会的認知理論に基づき独立変数に心理的要因、社会的要因、環境要因を設定し、共分散構造分析を行った。 質的調査:理論的飽和化を目指し、追加調査として要支援者6名にインタビューガイドを用いた半構造化面接を行った。運動や身体活動の実施状況や身体活動に対する考え、対象者を取り巻く環境と、これまでの経過について回答を得た。分析には、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用い、量的調査で設定された要因間の関係と身体活動の習慣化に至るプロセス、これら以外の要因の存在について分析した。 現在、これまでに行った量的および質的調査の分析結果を整理し、総合考察を行っており、要支援者の身体活動促進策として必要な視点について考察し、結果を公表する予定である。
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