H31年度は、「ロボットコミュニケーションを通して、自動走行車両システムの作動状態を認識できる事を検証」として、(1)障害物回避の状況を想定した車両システムの認識状態推測実験(2)実環境での走行を通した検証を行った。 (1)自動走行する車両が障害物を回避する際、ロボットのアクションの有無によって車両システム作動状態の推測に影響を与えるか調査を行った。本検証では、H30に構築したシミュレーションに実走行データを反映したシステムを用い、シミュレーション上での走行動画と実ロボットを連動させて調査を実施した。ロボットのモーションを伴いながら走行することにより、被験者はロボットが指している物体を直感的に車両の認識している物体として推測し、現在の制御状態への意味づけを搭乗者が自発的に行うことが分かった。 (2)実環境における実験として、パイロンを用いてコースを作成し障害物回避実験を行った。H30年度に開発したロボットのアクションタイミングを決定する手法と連動し、ロボットのモーション制御を実施した。しかし、ロボットのモーション実行コマンドの送信からモーションが完了するまでに遅れがあり、車両システムの走行制御とロボットのモーションが一致しなかった。このため、走行中に車両システムの認識状態を推測することができず、走行中における制御状態を推測することができなかった。特に実環境では、被験者は、視覚以外の情報を得ることにより車両の運動の変化をいち早く感じ取っているため、ロボットモーションをより遅いと感じたと推測される。
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