金属応答転写因子 (MTF1)は亜鉛、銅などの重金属により活性化され、生体内金属恒常性維持に働いている。また、MTF1ノックアウトマウスは胎生致死であり、MTF1は正常な個体発生に必要不可欠と考えられるが、胎生期の発生段階での本来の役割は不明である。これまで神経発生における役割が不明であった、金属応答転写因子であるMTF1について、神経分化によって、その発現量低下することを見出した。神経分化におけるMTF1の役割については不明であるが、MTF1は細胞の未分化性の維持に重要な役割をしている可能性がある。本成果から、神経分化におけるMTF1の新たな機能解明の足掛かりになる知見を得ることができた。
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