研究実績の概要 |
1.IHCによるfurin発現細胞の同定; P0から80%酸素投与10日間による慢性肺疾患モデルマウスをP10で固定し、肺切片を細胞特異的マーカーである、SMA/Calponin(myofibroblast), SPC(2型肺胞上皮細胞)との共染色を試みた。いずれも肺組織のautofluorescenceの影響があり、十分な識別能を示すことができなかった。2.Lung cell primary cultureの確立とfurin発現細胞の同定; P1のマウスを用い、全肺懸濁液を作成して、血液系の接着細胞を除去した上でmyofibroblast, II型肺胞上皮細胞のprimary culture作成を試みた。細胞染色を実施したところ、SMAとfurinの共発現を確認した。SPC陽性細胞も確認できたが、furin陰性であった。3.furin targetタンパクの確認; Control, 85%酸素投与、furinインヒビター投与の3群の肺液体窒素下に破砕し、RIPA bufferを用いてタンパク溶液を作成し、western blottingを実施した。Furin targetタンパクとしてIGF-I receptorの検出を試みた。高濃度酸素暴露によりfurinとIGFI-Rの発現減少を確認した。インヒビター投与により、IGFI-Rのpro-form/mature-formの比に増加を確認したかったが、今回の条件では確認することができなかった。4.Furin投与動物モデルの定量評価; 高濃度酸素暴露による慢性肺疾患モデルマウスに対して、furinをP2から2日おきに4回投与して、慢性肺疾患の進行を改善する効果があるかどうかについて検討した。平均肺胞径(Mean linear intercept)の評価で、高濃度酸素暴露とインヒビター投与でcontrolに比較して拡大した肺胞径が、furinの投与によって改善を認めた。
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