研究課題
本研究は、臨床的な予後因子に生活習慣・遺伝子情報を加えることで個別化頭頸部がん予後予測モデルを構築することを目的としている。具体的な目的は、1)喫煙との交互作用が知られているDNA修復酵素遺伝子多型の頭頸部がん予後への影響を検討する、2)中咽頭がん症例の血清抗体を用いて、ヒト乳頭腫ウイルス抗体価をELISA法で測定し予後予測への有効性について検討することである。研究究計画の進め方は以下の内容であった。①愛知県がんセンター病院疫学研究の枠組みの中で作成した頭頸部がんコホート437例の内、血液サンプルのある267例よりゲノムDNAを抽出する、②DNA修復酵素のうちヌクレオチド除去修復酵素の遺伝子多型をTaqman法で調べる、③中咽頭がん症例の血清検体よりHPV抗体価をELISA法を用いて測定する、④中咽頭がん症例のHPV感染の有無について、パラフィン包埋組織検体に対してp16を用いた免疫組織学的検討を行い、その結果とHPV抗体価の相関関係について検証を行うことである。研究成果としては、頭頸部がん患者コホートの拡充(1,099症例)と中咽頭がん106例からのゲノムDNAの抽出を行い、平成31年度~令和1年度としてパラフィン包埋組織検体を用いたp16の免疫組織学的検討を行った。血清検体を用いたHPV抗体価の測定に関しては継続中である。DNA修復酵素遺伝子多型としてERCC1(C118T・T19007C・C8092A)、ERCC2(Lys751Gln・Asp312Asn)を候補していたが、さらなる候補遺伝子について追加検討中である。
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