『グリム童話』の編纂者であるグリム兄弟が人文学の学者であったこと、『グリム童話』も彼らの学者としての仕事の一環として生まれたという事実は(国内外を問わず)一般読者にはほぼ知られていない。のみならず、ドイツ文学者や伝承文学研究者の間でも、グリム兄弟の仕事の全体像を理解した上で「グリム研究」がおこなわれることは稀だ。研究代表者は「学者としてのグリム兄弟」の研究活動の学際性を明らかにすることで、ドイツ文学研究や伝承文学研究はもちろん、広く人文学全体、さらには一般読者の間での「グリム兄弟」や『グリム童話』への理解を、これまでよりも広く深いものへと更新することを図った。
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