研究課題/領域番号 |
17K18011
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済史
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
彭 浩 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (80779372)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | トレーデング・パス / 牌照 / 通商許可書 / パス / 通航証 / 自由貿易 / 移動 |
研究成果の概要 |
中国側の史料を利用する実証研究の論文2本を作成した。一つは明代後期の渡海「文引」(中国商人への海外渡航・通商許可書)に関する研究(「明代後期の渡海「文引」――通商制度史的分析からの接近」、松方冬子編『国書がむすぶ外交』東京大学出版会、2019年)。もう一つは清朝中期の海外貿易の通商許可書をめぐる考察(投稿済・掲載審査中)。また、オランダ東インド会社の商務日記を広く読み、中国・日本・トンキン(ベトナム北部の政権)との通商交渉時に現れたパス関係記事を整理し、各種のトレーディング・パス(通商許可書)の併存、及び西洋式の「自由貿易」との関係性などの論点を見出し、複数の研究会で成果を発表した。
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自由記述の分野 |
経済史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
19世紀中期以降、東アジアにおいては欧米列強の進出により、国家間の通商関係が条約によって規定される、いわば条約体制が次第に普及した。その過程で、通航証や貿易許可書類の通商関係公文書の存在意義が薄くなり、結果的にはそれらの存在形態や機能も等閑視されつつあった。本研究は、トレーディング・パスという新しい分析用語を用い、近世期東アジアにおける多様な存在形態と機能の相互補完などを論じ、さらに「自由貿易」との関係性につながる論点も見出した。また、現在関心を持たされている「自由貿易」や「人の移動」などの議論にも、参考になる新しい歴史の素材を提供している。
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