研究課題/領域番号 |
17K18014
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
麻生 隆彬 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50548378)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ゲル / 粒子 / 接着 / 立体造形 / 修復 |
研究実績の概要 |
ヒドロゲルは魅力的な材料である一方で、社会実装に向けて成形加工性や脆弱性といった克服すべき課題を有している。本研究では、高分子微粒子を接着して3次元に組織化することで、ヒドロゲル材料の立体造形することを目的とした。 カチオン性とアニオン性の高分子鎖を導入したゲル粒子を作製し、外部からの電場印加によって相互作用部位を表面に提示可能な分子設計を行った。カチオン性とアニオン性のゲル粒子を任意の割合で水に分散させ、電気泳動接着法により微粒子間を3次元的に接着して、微粒子自身が網目となるヒドロゲルを作製した。前駆体がペースト状ゾルであり、かつ接着によって系が固化することを目的とするため、高分子電解質の導入量とゲル粒子の架橋密度でイオン性高分子の電気泳動度を調整し、表面電荷密度を制御した。 粘弾性測定から、ゲル粒子の混合物は刺激印加前は、ゾル状態であることがわかった。したがって、単純な塗布によって希望する任意の形状に成形加工可能であった。これに、電場を印加すると直ちに系が固化し、ゲル状態となることがわかった。ゲル粒子が三次元的に接着して構造体を形成しているため、電場除去後も水中でゲル粒子が溶出することなく、安定であった。ゲル粒子の接着によって形成する三次元構造体の力学強度は、混合するアニオン/カチオン比や異なる粒径の混合比によって制御可能であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目的とするナノ粒子作製が遅延しているものの、カチオン性及びアニオン性ゲル粒子を作製し、電場印加によって容易に三次元構造体を作製できることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
微粒子の合成条件の最適化に努め、相互作用部位を外部刺激で表面提示可能な300~500nm程度の粒子作製に注力する。さらに、ヒドロゲル材料の修復材としての応用を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗に合わせた必要な試薬等の購入計画の変更によって差額が生じたが、合成に用いる試薬購入等に適切に用いる。
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