糖尿病は心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患だけでなく各種の癌を増加させることが報告されている。低用量アスピリン療法は従来心血管疾患予防のために使用されてきたが、最近では大腸癌などの予防効果についても注目されている。 本研究では糖尿病患者において低用量アスピリン療法が発癌抑制効果を有しているかを検証するために、日本人2型糖尿病患者2,536名を対象としたJPAD研究コホートを用いて解析した。観察期間12.3年(中央値)の追跡調査において、358名に癌の発症を認めたが、低用量アスピリン療法は癌の発症を減らさなかった。本コホートを用いて、引き続き調査解析を継続する予定である。
|