研究課題/領域番号 |
17K18027
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
積山 和加子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (20613011)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 腎臓リハビリテーション / 慢性腎臓病 / 神経筋電気刺激療法 / 物理療法 / 足趾機能 |
研究実績の概要 |
本研究では,透析中に神経筋電気刺激療法(Neuromuscular electrical stimulation:NMES)を用いて足部と足趾機能改善を目的としたトレーニングを行い,その効果を運動機能や透析効率等の面から検証する。 平成29年度は透析中のNMESが循環動態・透析効率に与える影響について検討を行った。対象は外来維持透析患者(男性2名,女性3名)とした。平均年齢67.2±8.0歳,平均透析期間59.2±38.6ヶ月,平均身長155.9±7.16cm,平均標準体重55.1±2.2kgだった。下腿筋にNMESを行う前脛骨筋刺激条件と下腿三頭筋刺激条件,およびNMESを行わず通常の透析を行うコントロール条件とした。NMESは透析開始から1時間以上経過し,循環動態が安定してから実施した。循環動態の指標は血圧と脈拍数とし,NMES前後を比較した。コントロール条件では同じ時間帯の血圧と脈拍について1時間の経過を比較した。透析効率の指標は,尿素窒素(UN),クレアチニン(Cr),無機リン(iP)の除去率(%)を求めた。3条件の各指標について多重比較検定を行った結果,各条件間において統計学的有意差は認めなかった。よって,透析治療中の下腿筋へのNMESは循環動態が変動するほどの影響を認めず,安全に実施できることが示された。これらの結果から,次年度以降は従来型の透析中の運動療法(ベッド上でのエルゴメーター,レジスタンストレーニング等)を行う群と下腿筋へのNMESトレーニングを行う群に分けて,トレーニング効果を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りに研究が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後については,対象者数を増やして検討を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は5名の対象者に対してNMESを実施したが,研究協力施設で既に3台の電気刺激装置があったため,2台を追加購入した。平成30年度は対象者数を増やしてNMESトレーニング効果を検討するため,電気刺激装置を追加して研究を進めていく予定である。
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