本研究の目的は、骨格筋における毛細血管の新生形態の違いが、骨格筋の量や代謝機能に与える影響を明らかにすることである。毛細血管と筋細胞は相互依存の関係であることから、毛細血管新生において筋収縮の有無を介した酸素需要が必須であると仮説を立てた。筋収縮による酸素需要に応じた毛細血管新生と薬剤(プラゾシン)による酸素需要を介さない毛細血管新生が筋萎縮予防およびインスリン抵抗性に与える影響を比較した。結果、予測に反して、酸素需要の増大の有無に依存することなく筋毛細血管の増加は、骨格筋代謝の向上、インスリン抵抗性の改善を促し、毛細血管への介入により筋萎縮の軽減効果が得られることを明らかにした。
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