研究課題/領域番号 |
17K18030
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
諏訪 亜季子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (00571895)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 在宅重症心身障害児(者) / 移行期に達した障害のある子の家族を含めた支援 / 複合的課題を抱える家族への支援 / 当事者(経験者)の語りを聞き取る / 多重介護ケアラー支援 / 共生型在宅支援のあり方 / 地域特性に応じたサポート体制 |
研究実績の概要 |
在宅で暮らす重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))は、医療的なケアを必要とするケースがこれまで以上に増加し、高年齢化している。これとともに、主たる介護者である家族も高齢化し、重症児(者)と、在宅で暮らす重症心身障害児(者)と高齢者家族等の多重介護を担っているという未曽有の事態が発生している。 本研究は、多重介護を担っているもしくは、担った経験がある重症児(者)の母親から、その多重介護の実態を明らかにし、その困難性の要因が地域性(支援サービスの充足度等)によるものか先行調査の結果も踏まえて都市別比較し、ケアレジームを見出す計画である。 本研究の調査では、多重介護を担っているもしくは、担った経験がある重症児(者)の母親(以下、ケアラーとする)14名を対象に、半構造化面接を実施した。その結果、多重介護の様相は、<同居型><呼び寄せ型><近距離別居型><遠距離別居型>が存在することが明らかとなり、この様相を選択決定する要因としては、被多重介護者(高齢者家族等)の療養期間や予後予測が可能かや多重介護期間の予測が可能かどうか、加えて、重症児(者)の病状が安定しているかが影響していた。また、この根底に重症児(者)の子育てに被多重介護者(高齢者家族等)がどのくらい関わってくれていたかが大きく影響していた。そして、行政等の支援者側の機転にも左右されており、都道府県をまたいだサービス受給決定に柔軟な対応があるか、訪問看護ステーションや生活介護施設等の直接支援側のケアニーズに応じた柔軟な対応があるか等、様々な柔軟性を受け、ケアラーは、多重介護を全うできるか、常に不安定な環境の中で多重介護を担っていることが伺えた。 また、重症児(者)の子育ての一環として、いざというときのための将来を見越した母子分離経験等の自立支援にともなった準備性が必要であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究者自身の病気療養にともない、予定していたインタビュー調査が実施できていない状況でCOVID-19の感染流行が加わり、追加の半構造化面接が困難な状況であるため。
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今後の研究の推進方策 |
科学研究費補助事業期間をさらに1年間延長し、研究計画に基づいて完遂させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたインタビュー調査が実施できていない状況で、加えてCOVID-19の感染流行にともない半構造化面接が困難な状況で、予定していた旅費が使用できていない。また、所属学会等も開催中止になり、成果公表に至れていないため。
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