研究課題/領域番号 |
17K18031
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
土木計画学・交通工学
社会システム工学・安全システム
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
大田 学 高知工科大学, 地域連携機構, 客員研究員 (80727082)
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研究協力者 |
山下 典生
朴 啓彰
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 白質病変 / 定量化 / MRI / 事故 / 縦断解析 / 経時的変化 / 危険運転行動 |
研究成果の概要 |
約20,000件の脳ドックデータから、最新の画像診断技術であるVBM法を用いた大脳白質病変の定量化データと事故アンケートのデータベースを作成した。そのデータベースの中から、脳ドックを2回受診した健常中高年ドライバー573名を対象に、2時点間の白質病変容積の変化量と交通事故との因果関係を検討した。2回目受診時に、過去10年間における事故歴なし群(209名)と単独の事故歴あり群(12名)、2回以上の事故歴あり群(13名)の3群間の差の検定を行ったところ、事故歴なし群と2回以上の事故歴あり群間でのみ白質病変容積が有意に増加していた。これにより複数事故と白質病変との因果関係の存在が示唆された。
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自由記述の分野 |
交通工学・安全工学/安全科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
目視による定性的な白質病変データでなく、最新の画像解析技術を用いて定量化された白質病変データを用いることで、事故なし群と事故あり群の白質病変容積の統計的有意差が明らかとなった。これは、高齢ドライバーの交通事故防止対策の科学的根拠となる。 さらに、大規模脳MRIデータベースの利点を最大限に活用し、同一被験者の事故前後の経時的MRIデータを用いることで、交通事故分析を統計的平均だけでなく、より個別的な角度から検討したことは、個人差が大きい高齢ドライバーを議論する上で一つの指針となる。また、大規模脳MRIデータベースを用いた脳に関するコホート研究の世界的に類を見ない研究分野の実践事例の一つである。
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