本研究では,心身症の子どもを持つ親の心理や,症状に対する親の対応と子どものストレスとの関連,夫婦関係と子どもへの関わり方との関連について検討した。インタビュー調査及び質問紙調査を実施した結果,症状に対する親の受容的・肯定的な対応は子どものストレスを軽減することや,肯定的・受容的な対応を行うためには周囲のサポート資源の活用が有効であることが示された。ゆえに,心身症の子どもを持つ親に対して,子どもへの対応やサポート資源の活用に関する心理教育が必要とされる。同時に,子どもへの肯定的な関りを促すために,夫婦間のコミュニケーションの調整も必要であることが明らかにされた。
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