研究課題/領域番号 |
17K18043
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
斎藤 明宏 東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 准教授 (90632084)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 主体性 |
研究実績の概要 |
本研究はわが国の言語政策のイデオロギー、制度形成とそれを陰に陽に支えるディスコースおよび政策ターゲットであるオーディエンス・ディスコースの双方を検討するものとして出発した。進捗の遅れがあったものの、令和3年度は当初計画の最終段階作業の一部である、外国語教育政策の理念と、政策が対象とするオーディエンスの用いるディスコースの相互作用の様態の検討に着手した。当実施状況報告書にある国際誌掲載記事にある通り、政策ターゲットのセグメントである大学生の取り組む言語政策シミュレーション・プロジェクトを通じて、オーディエンスの主体性発揮の仕組みづくりを行い報告している。具体的には、英語教員養成課程の必修科目である異文化理解に関わる科目内の活動として、言語政策立案プロジェクトを複数年度にわたり試行してきた。プロジェクトでは、履修生が所属する大学や市区町村などのコミュニティを念頭に、草の根的な視点から、言語的・文化的にインクルーシブなコミュニティ形成に向けた政策シミュレーションを履修生たちが行った。履修生たちは3~4名のグループで複数週に渡りシミュレーションと作業を行い、コースの最後は政策発表会で締めくくった。他者と協働することがおのずと求められるプロジェクトの立てつけによって、履修生たちは共同して政策立案を行う意欲と自信を高めることができたと評価ができるものとなった。このシミュレーションを通じて、参加学生の成果物とコメントを検討材料に、プロジェクトの評価を行った。また、これらの成果物とコメントなどは今後の検討に必要なデータとして使用する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度までの進捗の遅れに押される形で、今年度も当初計画からはやや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は当初計画の最終段階作業の一部である、外国語教育政策の理念と、政策が対象とするオーディエンスの用いるディスコースの相互作用の様態の検討に着手した。来年度は、上述のとおり、政策シミュレーションを通じて入手したデータを検討し、学術誌に取りまとめるなど昨年度着手した検討を進め、本研究を総括する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度までに発生した進捗の遅れによって、進展のあった作業とそうでない作業が生じた。計画にあった予算使用を行わずとも、学術記事の執筆などの今年度進めるべき作業が可能であったため。
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