研究課題/領域番号 |
17K18046
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
田鎖 愛理 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80785501)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 災害公営住宅 / 居住形態 / 地域コミュニティ / 健康管理 / 地域保健 |
研究実績の概要 |
本研究では、東日本大震災被災地における災害公営住宅の居住形態および地域コミュニティの形成状況が心身の健康に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。 平成30年度には、災害公営住宅住民を対象とした質問票調査を実施した。住民調査は上半期に実施する計画としていたが、災害公営住宅の整備の遅れがあり、下半期の平成30年10月および平成31年3月に実施した。質問票調査の詳細は、 ①調査対象:大槌町災害公営住宅住民、②調査項目:現在の通院状況、日中活動、喫煙・飲酒の状況、主観的健康感、精神健康度(K6)、睡眠状態(アテネ睡眠尺度など)、経済状況、援助希求行動、社会経済資本、居住形態(集合住宅・長屋・戸建)、地域コミュニティ(自治会やサロン活動、支援員など)など、③調査方法:訪問調査員による個別面接、である。なお、質問票調査と同時に健診データの利用についてインフォームドコンセントを実施しており、健診データの請求を今後行って、身長、体重、血圧、尿検査所見、コレステロール(Total、LDL、HDL)、HbA1cなどのデータも得る予定としている。 また、災害公営住宅の整備の遅れのため、計画よりも遅らせる方針とした支援団体への聞き取り調査も今年度に実施した。聞き取り調査の詳細は、①調査対象:大槌町、同町社会福祉協議会、その他支援団体(認定NPO法人など)、②調査項目:災害公営住宅の整備状況とその居住形態・入居状況(主に町)、災害公営住宅におけるコミュニティ形成の状況(全ての団体)、③調査方法:訪問による担当者への面接である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
災害公営住宅の整備の遅れにより、平成30年度上半期に行う予定であった住民調査を、平成30年度下半期である平成30年10月および平成31年3月に実施した。このため、平成30年度に予定していた健診データの請求、データベースの作成、予備的解析、データクリーニングがまだ終了していない。 また、支援団体調査も平成30年度以降に実施することにし、平成30年度下半期にほとんど実施した。 上述の通り住民調査および支援団体調査が遅れたため、研究全体の進捗もやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
健診データの請求を行った上で、支援団体調査および住民調査のデータベースを平成31年度中に作成し、得られたデータを基に居住形態および地域コミュニティが心身の健康状態に及ぼす影響をマルチレベル分析で検討する。また、得られた研究結果を専門家のみならず住民自身に広く周知して結果を還元することで、今後の健康管理に貢献できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗の遅れにより、平成30年度に予定していた健診データの請求、データベースの作成、予備的解析、データクリーニングがまだ終了していないため、次年度使用額が生じた。次年度は健診データの請求を行った上で、支援団体調査および住民調査のデータベースを平成31年度中に作成し、得られたデータを基に居住形態および地域コミュニティが心身の健康状態に及ぼす影響をマルチレベル分析で検討する。 また、得られた研究結果を専門家のみならず住民自身に広く周知して結果を還元することで、今後の健康管理に貢献できるようにする。
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