研究課題/領域番号 |
17K18047
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 彩加 自治医科大学, 看護学部, 講師 (40783270)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 看護学生 / 看護実習 / ストレス / レジリエンス |
研究実績の概要 |
本研究は、看護学生を対象としてストレス反応と脳腸相関との関連性を明らかにすることを目的としている。 生体でのストレス応答は脳と消化管とが機能的に関連・連動することが分かっており、これを脳腸相関という。この生体でのストレス応答に対し、「困難、あるいは危機的状況に適応する個人の特性」と定義されていくレジリエンスという概念がある。レジリエンスはストレス抵抗性と関連し、心身の健康を保護する上で重要な働きをもつ。よって、レジリエンスの向上因子に対して脳腸相関との関連性に着目して解析し、作用機序を明らかにすることでストレス関連疾患の予防につながるのではないかと考えている。 2018年、2019年、2021年に3年次学生であった看護学生計315名に対し、臨地実習の終了直後に調査紙を配布した。32名から調査協力が得られ、回収率は10.2%であった。2020年はCOVID-19の影響で臨地実習の中止や実習期間の短縮があり、それまでの2年間で実施した調査時とは状況が著しく異なるため、調査を実施しなかった。RomaⅢ準拠の調査紙による便通状態の調査では、実習期間中に腹部症状が生じたのは14名であった。そのうち実習期間のみ症状があったのは4名で、10名は普段から腹部症状を自覚していた。腹部症状の有無で2群に分け、SPSSを用いたt検定、二元配置の分散分析を行い心理尺度と食内容の相関や群間差を解析した。 今回、看護学生におけるレジリエンスと食内容との直接的な関連性は見出されなかった。また、心理尺度と食内容との間にも関連性はみられなかった。今回の結果では、腹部症状という身体化の有無に関わらず、実習中の看護学生は実習に対して抑うつ・不安を感じていた。また、看護学生自身の特性として長期的な不安を抱えていない場合でも、実習中は一過性の不安が高いと分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年、2019年、2021年に3年次学生であった看護学生計315名に対し、臨地実習の終了直後に調査紙を配布した。2020年はCOVID-19の影響で臨地実習の中止や実習期間の短縮があり、それまでの2年間で実施した調査時とは状況が著しく異なるため、調査を実施しなかった。 2021年度に3年次学生であった看護学生も対象としたが、臨地実習終了が2022年1月であったことから、解析はその後に実施している。 よって、論文化および学会等への発表を行えていない。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度までの調査と調査で得られた情報のデータ化と解析は終了している。2022年度は、学術雑誌への論文投稿を行い、学会等での発表も行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
前年度までの間に、論文作成や英文校正、学会発表を行うことができなかった。したがって、論文作成に係る英文校正やデータ処理、論文投稿、学会参加のために当該助成金を利用する。
|