研究課題/領域番号 |
17K18054
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
田中 繁弥 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 助教 (80779942)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 認知症 / 施設入所者 / 車椅子 / 身体活動 / 活動性 |
研究実績の概要 |
本研究は施設入所認知症者に対する小集団での身体活動がもたらす効果について検証することである。 平成29年度は、認知症者に対する身体活動の評価指標として、介護老人保健施設の経験のあるケアスタッフが観察して採点を行う観察尺度(Nursing home life-space diameter:以下NHLSD、Tinetti, 1990)を用いた検討を実施した。その結果、施設入所者は普段、個室内もしくはユニット・ホール内でほとんど過ごしていた。ユニット外、施設外では週に数回以下しか移動しない施設入所者が8割以上を占めており、施設入所者はほとんど、活動性が低下している状況にあることが明らかとなった。また、活動性には、日常生活活動の自立度、下肢の最大筋力、意欲の順で影響していることが示された。活動性を向上させ、廃用症候群を防止するためにも、リハビリテーション専門職種及びケアスタッフが連携し合い、本人の自立度を高め、身体機能を維持・向上しながら、意欲を支える施設全体の取り組みが重要であることが示唆された。このように、活動性についての知見が得られつつあるが、実際にホールで施設入所者がどのような姿勢で、どのように時間を過ごしていたのかについて検討が不十分であるため、今年度は活動性をより詳細に評価する為に、機器を用いた活動性評価を検討中である。上記内容について、国内学会で報告、論文化を行った。 今後は施設入所認知症者に対する活動性の評価方法の検証とともに、小集団での身体活動について実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
施設入所者に対する活動性の評価を実施し、学会発表および論文化を行った。今後、介入の実施予定であり、準備段階である。
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今後の研究の推進方策 |
30年度には、単施設で機器を用いた活動性評価の方法を検討しつつ、介入研究を実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
活動性の評価において購入を検討していた機器がかなり高額で、大人数の測定には不向きであったため、他の機器の購入を検討している。
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