研究課題/領域番号 |
17K18075
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
長谷川 大 北海学園大学, 工学部, 准教授 (30633268)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ジェスチャ自動生成 / ディープニューラルネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究は、学習者によって教材が生成されていく大規模オンライン学習環境の構築を目標として、人型のPedagogical Agent を介したインタラクティブな教育コンテンツを容易に作成・配信できるLearner Generated Massive Open Online Course (LG-MOOC) について考究する。 具体的な研究項目は、1) 教育理論にもとづくインタラクティブな教授シナリオを容易に記述可能なInstructional Design Markup Language (IDML) の開発、2) Deep Learning を用いたPedagogical Agent のジェスチャの自動生成手法の開発、3) LG-MOOC の実装と100 人規模の学習実験による有効性評価、の3つである。 平成30年度は、項目2に対応するデータセットの構築およびジェスチャの自動生成手法の開発を継続して行った。前年度に作成したデータセットは、音声とモーションキャプチャによる動作データがペアになった合計192分のボリュームであった。今年度はこのデータセットの一部に対して、書き起こしと、4つのジェスチャ種類のアノテーションと、6つのジェスチャフェーズのアノテーションを行い、明示的にジェスチャの種類やが含まれたリッチなデータセットを作成した。しかしながらこのデータセットは全データセットの一部である。そこで、全データセットに対してまずはジェスチャフェーズの推定を試みた。実験の結果、約80%の精度で ジェスチャをしているフェーズとそれ以外のフェーズを判別可能なことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に構築したデータセットは、規模がまだ十分でないと考えられた。そのため、より大規模なデータセットを作成し、ジェスチャ自動生成メカニズムの改良を行う予定であったが、データ量を増加するのではなくデータにアノテーションをすることで、データセットの改良をおこなった。アノテーションはデータセットの一部に対して行ったものだが、それを全データセットに対して良い制度で一部の情報を自動判定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はデータセットの質的な拡充をおこなったが、データの絶対量にも不足があると考えられる。今後は、データ量の拡充、ディープニューラルネットワークによるジェスチャ自動生成手法の改良に加えて、初年度に予定していた教育理論にもとづくインタラクティブな教授シナリオを容易に記述可能なInstructional Design Markup Language (IDML) の開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の異動にともない、設備品の購入を見送った。繰越分の124,743円は成果発表旅費、論文掲載料に使用する。
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