研究課題/領域番号 |
17K18078
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
古川 敏明 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (90609372)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | ハワイ語 |
研究実績の概要 |
本研究は,消滅の危機に瀕した言語(以下,危機言語)の再活性化運動を談話分析や会話分析を用いた相互行為的観点から検証するという目的を持ち,1970年代に開始したハワイ語ラジオ番組カ・レオ・ハワイ(以下,KLH)をデータとして文字起こし及び分析を進めてきた.KLHには第一期と第二期があり,1時間の番組が各400回程度放送され,デジタル化された番組は,ハワイ先住民コミュニティや教育機関において貴重な文化・教育資源として利用されている.しかし,リソースとして重視されているのは第一期の録音であることが多く,第二期は相対的に軽視されてきたといえる.そこで,本研究は特に1990年代に放送された,第二言語としてハワイ語を使用する出演者が大多数となった第二期を対象として,文字起こしと分析を進めている.
2021年度も再び感染症の状況により,現地訪問をする機会を持つことは叶わなかったが,9月にはZoomを介した読書会を主催し,ハワイ語・ポリネシア諸語等を専門とする研究者たちと交流の場を持った.また,昨年度の口頭発表に基づき,KLHにおけるハワイ語使用をテーマとする論考を含む論文集が出版された.同様にKLHのデータを用いた別の論考を含む論文集も最終校正を終え,印刷・出版準備中であり,2022年度あるいは2023年度に出版される見込みである.さらに,応用的な成果として,ハワイ語学習のテキスト(共著)の出版が実現した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アメリカ・ハワイ州に渡航することが叶わなかったため.
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度8月以降にアメリカ・ハワイ州に渡航を予定しているため,そこから半年間で研究成果のまとめを行う.
|
次年度使用額が生じた理由 |
さらなる文字起こしに対する研究協力者への謝礼,もしくは2022年8月以降に現地へ渡航した際の関連経費として使用予定.
|