本研究は消滅の危機に瀕した言語の再活性化運動を相互行為的観点から検証することを目的とし,1970年代に開始したハワイ語ラジオ番組カ・レオ・ハワイ(KLH)をデータとして分析を進めた.KLHには第一期と第二期があり,1時間の番組が各400回程度放送され,デジタル化された番組は,先住民コミュニティにおいて貴重な文化・教育資源として利用されている.しかし,リソースとして重視されているのは第一期の録音であることが多く,第二期は相対的に軽視されてきた.そこで,本研究は特に1990年代に放送された,第二言語としてハワイ語を使用する出演者が大多数となった第二期を対象として,文字起こしと分析を進めた.
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