研究課題/領域番号 |
17K18079
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
平野 剛 桜美林大学, 芸術・文化学系, 助教 (00707515)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 音楽 / 楽器演奏 / 金管楽器 / 演奏不安 |
研究実績の概要 |
本年度は,表面筋電図計測と心拍計測に必要な機材の購入,「楽器と唇の接触部にかかる力(マウスピース力)」の計測装置の開発を行った.そして,これら機材を用いて実験環境をセットアップし数名の被験者を用いて予備実験を行った.実験の結果,計測に不備のないことが確認できた.また作成したデータ解析プログラムは,正しく動作することを確認した. また本年度は,本研究で中心的な役割を果たすコンクール実験の開催の準備も行った.具体的には会場(音楽ホール)の手配,審査員の検討,実験参加者や聴衆者の動員方法の検討,コンクールの広報について検討を行った.その結果,来年度中にはコンクール実験の開催が実現できるめどがたった. 一方で,本年度研究を進めていく中で,これまで想定していなかった新たに解決すべき課題が見つかった.実験機材の構築の面では,実験室内で行う予備実験では計測に不備は見当たらなかったが,コンクール実験で使用する大きな会場(音楽ホール)ではこれらの計測機材がそのまま使用できないことが発覚した.今後,音楽ホールでも計測可能な機材開発を行う必要がある. またコンクール実験の開催の面では,聴衆者の動員に課題が残った.本研究では「演奏不安が奏者の身体制御に与える影響を明らかにすること」を目的としているため,会場を聴衆者で埋め尽くす必要がある.具体的には300名程度を動員する必要があり,その動員方法を今後検討していく必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,実験環境の構築とコンクール実験の開催準備を行った.実験環境の構築は,当初の実施計画通り必要機材の購入と機材開発を行い,それらを用いて予備実験を行った.その結果,研究室内では計測が正しく行えることを確認できたが,コンクール実験で使用する大きな会場ではこれらの計測機材がそのまま使用できないことが発覚した.またコンクール実験の開催準備では,聴衆者の動員方法に課題が残った.以上のことから,本件の研究はやや遅れていると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は初年度の遅れを取り戻すべく,まずコンクール実験で使用する大きな会場でも計測可能な実験環境の構築を行う.またコンクール実験の開催準備に関しては,広報の方法を見直して十分な聴衆者を動員できるような解決策を見出す.聴衆者は300名を目標としている.そして当初の計画通り,2年目は実際にコンクール実験を開催して,実験参加者の心拍数,筋活動,マウスピース力,音データを記録し,その後データ解析を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度購入した実験機材が少なかったため,次年度使用額が生じた.これは研究の途中で,当初予定していた機材では実験ができないことが発覚し,新たに購入する機材を再検討する必要が生じた.この新しい機材の検討に時間をかけて本年度の購入を見送ったため,使用額が少なくなった.
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