研究課題/領域番号 |
17K18079
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
平野 剛 桜美林大学, 芸術・文化学系, 助教 (00707515)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 演奏不安 / 金管楽器 |
研究実績の概要 |
本年度は、計測システムの構築、予備実験、そして本実験(2019年2月25日~3月1日)を行った。本研究は、演奏不安が金管楽器奏者の身体制御に与える影響を解明するために、演奏者の生理的指標(心拍、筋活動、口腔内乾燥度)と力学的指標(マウスピースを唇に押さえつける力)、さらに質問紙による演奏者の演奏不安の度合いをそれぞれ計測する必要があった。そこで、上半期は本実験の会場である音楽ホールを想定した計測システムの構築を主に行った。また、演奏者の演奏不安を適切に計測できる質問紙の作成にも時間を割いた。こうしたできた計測システムを使用して、下半期には予備実験を行った。また予備実験と平行して、実験参加者を募るためにウェブページやチラシを作成し、全国から実験参加者を募った。また審査員や実験補助スタッフ、イベント補助スタッフ、聴衆者の手配を行った。そして2019年2月25日~3月1日に本実験(コンクールイベント)を開催し、3月1日に聴衆と審査員のいる環境(コンクール条件)で演奏者のデータを取得した。また、2月25日から2月28日に同じ演奏を聴衆と審査員のいない環境(リハーサル条件)でも行ってもらいデータを取得した。本研究では、演奏不安を奏者のメンタルな問題にとどめず身体制御の問題として取り扱うことに特色がある。様々な指標を計測し身体制御の観点から考察することで、多くの演奏家が欲しているステージ演奏での様々なアクシデントに対応し得る具体的な示唆を得ることができると期待される。今回得られた生理的・力学的指標を条件間で比較することで、各指標の変化とその特徴を今後明らかにできると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、本年度は計測システムの構築、予備実験、そして本実験(2019年2月25日~3月1日)を行うことができたので、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
得られたデータの解析を行う。得られた研究成果を学術学会で発表するとともに、原著論文として運動制御関連の国際誌や認知心理学関連の国際誌に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ホールや付帯設備料金にかかる費用を捻出するため、50万円の前倒し申請を行った。しかし、付帯設備料金が想定よりも安くなったため、56,812円の予算が残った。
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