研究課題/領域番号 |
17K18081
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
林 哲範 北里大学, 医学部, 助教 (30458830)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生理活性ペプチド / サリューシンβ / 糖尿病 / 糖尿病慢性合併症 / 血管障害 |
研究実績の概要 |
糖尿病患者数は世界的にも我が国でも年々増加しており、これらの糖尿病に伴う慢性血管障害の発症・進展を抑制することが糖尿病治療の目標の根幹であることは言うまでもない。新規生理活性ペプチドのサリューシンβは特異な物理化学的性状を有するため、その機能解明は困難を極めた。近年、この特性を回避し測定系を構築し、ヒト血中総サリューシンβ濃度を測定系の確立に成功した。サリューシンβは血管障害治療の新たな標的分子として現在注目されており、今回の研究では糖尿病慢性合併症におけるサリューシンβの病態生理学的意義の解明を目的としている。 2017年度は遊離サリューシンβの正確な測定系の樹立と、糖尿病患者を対象として血液サンプルの採取・測定を実施した。遊離サリューシンβのサンドウィッチELISA系の確立を共同研究者とに行い、血中遊離サリューシンβを測定することに成功した。また並行して北里大学病院内分泌代謝内科で加療中の糖尿病患者でインフォームドコンセントを得た患者より血液サンプルを採取し、2017年度末までに約150例の血液サンプルの集積が行われた。 2018年度は、集積した血液サンプルの測定を行っている中で、構築した遊離サリューシンβの新規測定系において測定精度の再確認が必要となった。そのため測定系の再検討を行い、より精度の高い測定系を確認することができた。このため2018年度に血液サンプルの再測定を実施した。併せて、カルテベースでのクリニカルデータの抽出として年齢、性別、体格などの基本的調査項目、糖尿病関連の血液検査マーカーデータ、糖尿病慢性合併症(神経障害、腎症、網膜症)や大血管障害に関わるクリニカルデータを順次カルテベースに抽出を行い、サリューシンβの糖尿病慢性合併症における病態生理学的意義の検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2017年度に集積した血液サンプルの測定を行っている中で、構築した遊離サリューシンβの新規測定系において測定精度の再確認が必要となった。そのため測定系の再検討を行ったためやや遅れている。しかし、結果的により精度の高い測定系に修正、確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は現在までの血液サンプルの再測定を進め、糖尿病慢性合併症におけるサリューシンβの病態生理学的意義を明らかにすることを目的とする。サンプルの収集に関しては、特に糖尿病慢性合併症の進行した症例のサンプルがやや不足しており、引き続き収集を行っていく。またカルテベースに集積患者のクリニカルデータの抽出を継続し、どのような糖尿病慢性合併症および血管障害によるサリューシンβの差異を明確にし、糖尿病患者におけるサリューシンβの病態生理学的意義を詳細に検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に遊離サリューシンβの測定精度の再検討を行い、当初の2018年度に予定していた測定系で使用する消耗品などの費用を含め、今年度に使用しなかった額が生じた。このため2019年度への研究延長を申請し、2018年度に予定していた遊離サリューシンβの測定を中心とした使用を計画している。
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