G2/M期移行のサイクリンBの発現量に依存した制御は真核生物に広く保存されることが知られている。単細胞藻において、その発現量は細胞と葉緑体の分裂の協調機構に深く関与することが示唆されたが、藻類におけるサイクリンB調節機構については陸上植物と類似した機構であることを本研究ではじめて示唆した。また葉緑体の分裂が開始してはじめて細胞が分裂するという、細胞と葉緑体の分裂を協調させる仕組みは細胞あたりの葉緑体の数が1個でない単細胞藻にも保存された仕組みであることを示した。これらの結果は細胞周期進行という観点から藻類と陸上植物を比較するための有用な情報を提供するものである。
|