極小主義アプローチに基づいて通言語資料を対象とし、名詞類―代名詞、固有名詞、語彙名詞―が示す特徴を解明するべく研究を進めた。①この三種の名詞要素が互いにどのような共通点と相違点を持つのか、そして②これらの名詞要素が文構造内で示す特徴―特にこれらが主語として用いられる際に述部とどのような一致を見せるのか―について検討した。 ①については、統語構造としてはどの名詞句も同じ構造を持つものの、音声形で相違が現れることを主張し、②については数量名詞句の特性、AAVE(いわゆる黒人英語)の名詞句が示す一致パターン、そして動詞述部と名詞述部の間に見られる一致パターンの相違についての観察と考察を行った。
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