研究実績の概要 |
腹部超音波検査は非侵襲的で放射線被ばくを伴わない検査法で、CTやMRIを撮像するにあたり鎮静が必要な小児科領域において、超音波検査は無鎮静でも実施可能で成人領域と比較してもその有用性は高い。近年、超音波検査機器の開発技術の向上により、doppler技術も発達し、視覚的に細部の血流まで捉えることも可能となってきた。しかし、微細な血流をとらえても、血流の強弱の判定は術者の視覚的評価により、客観性が乏しいことが超音波検査の短所であった。我々は、超音波検査により得られた血流像を2つの方法で定量化し、種々の小児消化器疾患において数値的な疾患特異性が存在するかを検討している。令和元年度の時点で、8-12MHzの高周波リニアプローブを用い、明らかに体動で不鮮明に描出された画像は使用しない方針で、B-modeによる腸管壁肥厚、腸管拡張、腸間膜肥厚などの異常所見検索、画像撮像・保存を行い、観察対象部に対するPDIとSMIによる腸管血流の評価(各部位に対して最低5か所以上の静止画と動画 (5-10秒程度)を撮像・保存)を行い予定症例の集積は完了したいたため、ImageJ (National Institute of Health, Bethesda, MD)による画像の変換と解析を実施し、SMIで得られた動画に同期して得られたVIとの比較統計処理を行い完了したため、現在、結果に関しての論文を作成中である。
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