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2017 年度 実施状況報告書

エピソード記憶における報酬への選択的注意と分割的注意の競合の脳内メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 17K18116
研究機関中央大学

研究代表者

重宗 弥生  中央大学, その他部局等, 専任研究員 (70547273)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード報酬 / 罰 / 記憶 / 注意 / 脳機能イメージング / fMRI / 認知神経科学
研究実績の概要

『二兎を追う者は一兎をも得ず』と古くからのことわざで言われるように、2つの獲物(報酬)を同時に得ようとして結局どちらも獲得することができない、ということは誰しも経験があることであろう。このような現象は報酬に関係するものに注意を集中させようとする選択的注意の機能と、一度に複数のことを行うために注意を配分する分割的注意の機能が競合することによって引き起こされると考えられる。本研究では、この選択的注意と分割的注意の競合が記憶に与える影響とその脳内メカニズムをアイトラッカーとfMRIを用いて検討する。
当該年度は、報酬による選択的注意と分割的注意の競合について検討する一連の3つの研究の内、(1)報酬による選択的注意と分割的注意の競合を特定する研究を進めると共に、先行する報酬/罰の記憶促進効果についての研究を再検討することにより、(2)報酬/罰に関連する記憶における3層構造の調節メカニズムを提案した。(1)の研究では、fMRI実験前の予備実験を行い、1つの対象を憶えようとする場合には、報酬の金額が増加に伴って記憶成績も上昇するのに対して、2つの対象を憶えようとする場合には、報酬の金額が増加に伴って記憶成績は途中までは上昇するが、その後下降することを確認し、fMRI実験に移行するところである。(2)の再検討では、報酬/罰に関連する記憶では、報酬や罰に関連する領域と記憶関連する領域の相互作用を基礎として、そのような相互作用が認知的な要因に関連する領域と社会的な要因に関連する領域の調節を受けることを示唆した。この再検討の成果は、書籍Memory in a Social Context: Brain, Mind, and Societyの一章として出版された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は、本研究課題に関連する研究と再検討を進め、本研究課題の肝要となる選択的注意と分割的注意の競合を実際に特定するとともに、再検討の成果を書籍の一部として発表することができた。そのため、研究はおおむね順調に進展しているといえるだろう。

今後の研究の推進方策

今後は、(1)の研究についてfMRI実験を進めると共に、(3)選択的注意と分割的注意の競合の解消についての研究の予備実験を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた主要な理由は、本研究の情報収集で参加予定だった海外学会で、別の研究課題の成果の発表を行ったため、海外旅費が必要なくなったためである。次年度の研究費の最も主要な使用予定はfMRI実験の3T-MIR設備利用費と、予備実験とfMRI実験の実験参加者への謝金である。また、それ以外に、国内外の学会で研究成果を発表するための出張費や、データ解析に必要なソフトウェアの年間使用料として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 図書 (1件)

  • [図書] Modulatory mechanism of three-layered hierarchical structure in memories associated with rewards and punishments: Evidence from functional neuroimaging studies. In Tsukiura T, Umeda S (Eds). Memory in Social Context: Brain, Mind, and Society2017

    • 著者名/発表者名
      Shigemune Y, Tsukiura T
    • 総ページ数
      327頁(103-118)
    • 出版者
      Springer

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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