術後チューブ抜去事故のハイリスク患者の同定を目的に、過去5年間のインシデントレポートをチューブ種類、診療科ごとに解析し、自己抜去した成人の患者と非抜去患者の症例対照研究を実施し、術前リスク因子として腹部大手術予定・認知症・脳卒中の既往が同定された。 次に、人工股関節置換術をうける60歳以上の高齢患者を対象に、全身麻酔に用いられるセボフルランとプロポフォールが術後認知機能に与える影響を比較し、術後7日、3か月、1年時点での術後認知機能障害の発生率を検証した。術後認知機能に関してはいずれの時点でも有意差は見られず, 術中麻酔の種類および深さは術後認知機能に有意に影響しないことが分かった。
|