今後の研究の推進方策 |
3年目は、今年度合成した化合物を触媒として「失活型PDIの再活性化実験」を行う。今年度と同様に、PDI活性中心のチオール(SH)基をS-ニトロソ化したS-ニトロソPDI(SNO-PDI)を失活型PDIとして調整し、試験管内における合成化合物の脱ニトロソ化触媒能を評価する。さらに、今年度は、細胞内における脱ニトロソ化活性についても検討する予定である。培養細胞に対して合成化合物を用いて処理した後、ニトロソ化試薬(ニトロソシステイン等)を添加し、細胞内ニトロソ化タンパク質レベルを定量する。さらに、細胞内の病原性タンパク質(アミロイドβ)とROS種の量を定量し、化合物群の神経変性疾患に対する薬理活性について検証する(PLoS one, 2011, 6, e25788)。一方、ROS・RNSによる小胞体ストレスとMF体生成応答による細胞アポトーシスの抑制機能も評価する。文献(Methods Mol Biol. 2009, 559, 191)を参考に、マウス胚性線維芽細胞を用いた実験にて検証する。
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