研究課題/領域番号 |
17K18124
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
森屋 宏美 東海大学, 医学部, 講師 (80631845)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 遺伝看護 / がん看護 / 概念 |
研究実績の概要 |
本研究は、遺伝看護実践能力の中でも、がん遺伝/ゲノム看護実践に焦点を当て、これに関する自己評価尺度の作成を目指している。この手順は次の通りである。1)文献および質的帰納的研究の結果により概念の検討を行なう。2)先の概念を網羅した尺度項目を作成する。項目作成にあたり、具体的かつ単一の内容を問う表現とすること、平易な表現とすること、回答しやすい順序とすることなどに留意する。3)尺度を構成する。専門家会議とパイロットスタディなどによる尺度の修正をする。4)信頼性と妥当性を検証する。研究計画書の倫理審査を経て、全国調査を行う。5)開発した尺度の限界と留意点を考察する。 研究2年目の本年度は、現在までに1)から2)が終了した.概念の検討には,概念基盤が未熟な領域に適した方法とされるWalker & Avantによる概念統合を用いた.まず,「がん遺伝/ゲノム看護実践」の文献レビューを,看護実践能力の先行研究と照らし合わせ、「がん遺伝/ゲノム看護実践能力」を明らかにした(研究A).続いて,がん医療を担う現役看護師を対象とした看護実践のフォーカス・グループ・インタビューの質的帰納的分析を,研究Aの結果に統合することにより概念の妥当性を確認した(研究B).看護実践が医療情勢とともに急速に変化していることから,特に研究Aでは,概念の経時的変化をデータから探索する過程を踏むことにより時代に即した実践を抽出することに努めた.また、3)以降の研究計画書は、倫理審査委員会の承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初より計画していた、1)文献および質的帰納的研究の結果により概念の検討を行なうこと、2)先の概念を網羅した尺度項目を作成することについて達成されたため、概ね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
3)以降について、研究計画に従い進める予定である。本研究では、研究代表者が所属する大学のスケールメリットを最大限に活用し、医学科のゲノム医学専門家、数学科の統計専門家とともに研究者会議を構成している。引き続き、最新の知見に基づくデータをもとに、対象者にとって使いやすい尺度の開発を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品や研究者会議費用の節約により、無駄のない研究運営ができたことから当初予定に比べて支出を抑えることができた。また、調査時期を考慮し、本年度末に加入予定であったインターネット調査サイトへの加入を見送った。 次年度は、実際の調査を予定していることから、インターネット調査サイトへの加入費用が必要である。また、研究最終年度になることから、研究資料の整理を担当する人員を確保したい。
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