研究課題/領域番号 |
17K18125
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
籠谷 恵 東海大学, 健康科学部, 講師 (40734801)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 養護教諭 / 養成教育 / 看護技術 / 学問体系 / ミニマム・エッセンシャルズ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、養護教諭養成教育における学校看護技術の体系化と最低限教えられるべき教育内容、すなわちミニマム・エッセンシャルズを明らかにすることである。平成29年度は、おおむね予定通り研究を実施した。 研究1 学校看護技術学の学問体系の構築に関する研究: 1.看護技術の枠組み(案)の作成は、2017年8月~9月に看護師国家試験出題基準 平成30年版の基礎看護学と小児看護学に関する項目、厚生労働省「新人看護職員研修ガイドライン【改訂版】」の「技術的側面:看護技術についての到達目標」をもとに、看護技術の体系(案)を作成し、基礎看護学を専門とする養成担当者5名で枠組みの妥当性を検討した。 2.学校看護技術学の体系(案)の作成は、看護技術の概念枠組み(案)に、養護教諭向けに書かれた学校看護学に関する教科書2冊に掲載されている学校看護技術に関連する項目を対応させ、修正することで、学校看護技術学の体系(案)を作成し、211項目を作成した。分析の妥当性は、養護教諭養成機関で教育に関わる研究者5名で確認した。 研究2 養護教諭の学校看護技術の必要性の認識と習得状況に関する研究: 2018年1月に関東甲信越の公立小学校,中学校,高等学校,特別支援学校に勤務する養護教諭約1,240名(小・中・高等学校それぞれ310校をランダムに抽出,特別支援学校は,関東甲信越に所在する全校)を対象に,調査票を郵送で配布,回収した.461名の養護教諭から回答を得た。 研究3 養護教諭養成担当者の学校看護技術教育の必要性の認識と教育状況に関する研究: 2018年2月に文部科学省のホームページに掲載されている養護教諭の免許資格を取得することのできる大学のうち、136養成機関(124大学・12短期大学)の主たる養護教諭養成担当者(各校1名)を対象とし、調査票を郵送で配布、回収した。46名の養成担当者から回答を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は学校看護技術項目を作成し、養護教諭と養成担当者に実態調査を行う予定であったが、予定どおり実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、平成29年度に実施した養護教諭と養成担当者の学校看護技術の認識に関する調査結果をまとめ、学校看護技術体系(案)の修正を行う予定である。また、論文等における公表も予定している。 さらに、研究4として養護教諭養成教育における学校看護技術のミニマム・エッセンシャルズを明らかにするため、2018年秋以降に養護教諭養成担当者を対象に学校看護技術体系(修正版)に関して反復型郵送調査を行い、最低限教えられるべき学校看護技術に関する教育内容を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では養護教諭2,000名を対象に調査を行う予定であったが、校種別比較が必要と考えたため、関東甲信越地方の特別支援学校数に合わせて他校種も同数をサンプリングする計画に変更した。そのため、対象数が減り、予定より調査関連の支出が少なくなった。平成30年度は、反復型郵送調査と研究成果の公表、研究環境整備等に必要であるため、平成29年度の配分額とあわせて使用する予定である。
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