本研究の目的は、養護教諭養成教育における学校看護技術学の体系化と最低限教えられるべき教育内容、すなわちミニマム・エッセンシャルズを明らかにすることである。 そのため、①学校看護技術学の体系(項目)の作成、②学校看護技術のミニマム・エッセンシャルズの検討、③2020年度は養護教諭養成教育における学校看護技術の卒業時の到達度の検討を行った。 2021年1月25日(月)~3月26日(金)に、全国の養護教諭養成機関に所属する養護教諭養成担当者138名(各校1名)に質問紙調査を行った。2019年度調査までに明らかになった学校看護技術体系と養成教育における優先度をもとに、卒業時の到達目標(案)を作成し、同意の有無(「1同意する」「0同意しない」)2件法で質問した。また、 同意しない場合は,適切と考える到達度(「4:単独で実施できる」「3:指導の下で実施できる」「2:学内演習で実施できる」「1:知識として分かる」)と回答理由を尋ねた。 その結果、36名の養成担当者から回答が得られた(回収率26.1%)。今後は、①各学校看護技術項目の同意の有無の回答数と割合を集計し,卒業時の到達度として適切か否か、②養護教諭の養成背景(看護系,教育系・学際系の2群)により回答に有意な差があるかなどを統計的に検討する.本調査結果をまとめ、希望者への調査結果の報告、学術集会での発表、論文公表に向けて取り組む予定である。
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