生体腎移植において、移植腎(グラフト)の腎動脈が複数ある場合、各副動脈の再建の要否が問題となる。再建の要否を判断するには、主動脈・副動脈の動脈径や走行さらに各動脈の灌流領域の大きさが重要な指標となるが、これらの指標を術前に客観的に評価する方法はこれまで存在しなかった。本研究で申請者らは、3D画像解析システムによるシミュレーションを用いて複数腎動脈を有するグラフトの各動脈灌流領域を術前に計算する方法を新規に開発した。複数腎動脈を有する症例について術前に3Dシミュレーションを行い、副動脈の灌流領域や術後経過の比較を行う事ができた。本法によって、生体腎移植の安全性や効率性が向上する事が期待される。
|