本研究では、体育・スポーツの指導を展開していく際に、映像情報を効果的に学習者に呈示していくための方法を示すことを目的とした。 器械運動の授業を題材として実施された一連の検証からは、1)適切な映像情報の選択、2)映像情報呈示のタイミング、3)学習者に与えておく映像観察の視点、などの観点から「映像化された自分の動きを見る」ことの意味を明確にしておくことの必要性がある。そして、そこで特に求められるのは、映像観察によって得られる情報だけでなく、学習者による動感差の比較、つまり「動きの違いを感じ分ける」ことが最重要であり、その「感じ分け」を促す呈示方法の重要性を示唆することができた。
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