H30年度では昨年度の研究結果を踏まえ,まず水蒸気供給方法の再検討をおこなった.凝集が急速に進行すると推測される温度勾配の大きい火炎直上に水蒸気を添加することで,より大きな効果が期待できる.そのため異なる半径距離(火炎のすぐ横から噴出させる場合と離れた場所から噴出させる場合)や流速(ほぼ等速で噴出す場合と低速で噴出す場合)といった様々な条件(いずれの場合も噴出による火炎への影響は与えないよう工夫し,空気を吹き出した場合との比較を行っている)での火炎直上への供給を試み,フィルタ重量法による総重量測定,LPIによる粒径分布測定,構成成分測定および密度計による真密度測定を行った.その結果,水蒸気を添加することで小粒径粒子が減少し大粒径粒子が増加することから凝集効果は確認できたものの,条件による明確な効果の違いは確認できなかった.したがって供給方法よりも供給量が凝集効果に大きく影響するものと思われる. 次に水蒸気添加後の混相流温度の確認を行った.その結果,水蒸気供給後の温度が低下するほど凝縮水発生量は多くなるため,温度低下するほど凝集はより促進するという結果が得られた.以上のことから,PMの凝集効果は周囲凝縮水量が大きく影響することがわかった.煙道を流れるPMは多量の水蒸気を供給するほど,そしてより低温に冷却させ凝縮水量を増やすほど凝集が進行することがわかった.その他,PM中の水分付着量についての測定等も行った.
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