研究実績の概要 |
本研究の目的は、①若年無業者支援者における新聞の「内容分析」と「地域若者サポートステーション」(以下「サポステ」と表記)の支援者の郵送調査(回収率42.0%)から、日本社会における「若年無業者支援者問題」を明らかにすることである。①の「内容分析」では、合計1,957記事数を対象に分析をおこなった。その結果、2006年の報道件数(218件)が最も多く、2005年~2014年までは、その差あるが100件以上の報道件数であった。しかし2015年以降は減少傾向にある。また「サポステに関する記事内容」では「サポステ名」が92.8%と最も多く報道されていたが、具体的な支援内容や研究テーマである「サポステ支援者課題についての報道」はほとんど報道されていなかった。 次いで、「サポステ」支援者を対象に実施した調査の「サポステの支援課題」では、「単年度事業であることの課題」、「職場体験の増加」、「企業との連携強化」、「発達障害者の利用者の課題」など多岐に渡る課題が明らかとなった。また支援者自身の「賃金待遇について」は、62.7%が現在の待遇に「満足していない」と回答している。しかし、「サポステ」での「やりがい」については、63.7%の支援者が「やりがいを感じている」と回答している。そして「支援者支援の必要性」については、79.7%の支援者が「必要である」と回答している。 以上のことから若年無業者支援の課題は、2000年から2010年にかけては当事者を中心に社会的関心が高かったものの徐々に減少傾向にある。また彼らの伴走者である支援者については、多くの課題を抱えているにも関わらず顕在化せず現状にいたっているといえる。
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