本研究では,誤り訂正符号を用いないことやQAMのシンボル数を削減することで効率の良い伝送を実現することが可能となる.そのため,提案方式は十分な伝送帯域を確保できない分野での多情報伝送に対して有用である.特に,デジタルATC(自動列車制御)システムのような鉄道のレールを用いた伝送では現在,レールが持つ周波数特性や鉄道雑音の影響から数百bps程度の伝送速度しか確保できていないため,本手法によって多情報伝送を実現することで,さらに高度な列車制御を実現できる可能性がある.さらに,誤り訂正符号とは独立した誤り訂正手法であるため,誤り訂正符号を用いることで更なる誤り訂正能力の向上を図れる可能性がある.
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