研究課題/領域番号 |
17K18179
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
塩崎 悠輝 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (00609521)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | イスラーム / ネットワーク / イスラーム法学 / ネットワーク / ウラマー / 東南アジア / 南アジア / デジタル人文学 |
研究実績の概要 |
2022年度は、バングラデシュで現地調査を行うとともに、シンガポールやマレーシアで発表を行った。また、従来通りオンライン会議を活用して、インドネシアなどの研究者らとワークショップを2回開催した。 2022年度は、従来、本研究の最終年度となる見込みであったが、今後なお研究課題について研究を続けていく必要はあり、2023年度とあわせてさらなる研究への準備をしていく期間ともなった。具体的には、国内および欧米、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどの研究者との共同研究を通して、イスラーム学者(ウラマー)の知的ネットワークに関する研究について発表し、同時に意見交換を行った。特に、シンガポール国立大学での研究発表(国際ワークショップ"MALAY WORLD MANUSCRIPTS: MEDIUM AND METHOD IN DECENTRING DOMINANT NARRATIVES ")は、東南アジアのイスラームの知的ネットワークに関する世界各国の主要な研究者が多数集まっており、貴重な情報交換を行う機会となった。この過程で、イスラームの知のネットワーク研究では、国際共同研究が重要であることがより鮮明になった。 また、インドネシアのナフダトゥル・ウラマー大学の研究者、Ginanjar Sya'banと2回のワークショップを行い、東南アジアと中東で横断的に活躍してきた19世紀から20世紀初期にかけてのウラマーと彼らの遺したテキスト資料によるネットワーク研究の可能性について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イスラーム学者(ウラマー)のネットワークに関する研究は、文献資料の収集、その資料を分析にかけてネットワーク分析やテクスト分析(データ・マイニング)を行う作業が必要である。いずれにおいても多くの研究者の参加を必要としており、国際的な共同研究が必要とされる。 2022年度は、国内(特に学術変革領域研究(A)「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造」(イスラーム信頼学))および東南アジアの研究者らとの連携を進め、共同研究や意見交換を行い、研究成果を発表する機会を持った。 2022年度の研究は、次年度以降の研究を進めていくうえでも有用であり、今後研究成果を増幅させていくための準備ともなった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度はバングラデシュでの現地調査を本格的に開始し、東部を中心にイスラーム学校(マドラサ)の調査を行い、ロヒンギャ・ムスリムのウラマーを含む東南アジアと南アジアを結ぶウラマーのネットワークについて研究発表を行ったが、本格的な研究発表は2023年度以降となる。 本研究では、2021年度までは海外渡航が困難で、現地調査の機会が限られていた。2022年度には、シンガポールやマレーシアでの研究成果発表および現地調査、バングラデシュでの現地調査を行えたが、今後もさらなる積み重ねが必要となる。 特に、バングラデシュやインドにおいて、東南アジアとつながるウラマーのネットワークについて現地調査を行うことは、今後長期に渡っての課題となる。また、ヨーロッパ諸国においても研究発表および資料収集もひつようである。 研究成果の発表は、論文や書籍のかたちでも増やしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
書籍の購入の日程が遅れ、961円の誤差が出た。2023年度に961円以内の書籍を購入する。
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